ふぐの養殖は、「海面養殖」と「陸上養殖」の二つに分けられます。海の中に生簀をつくる海面養殖は、まわりの環境の影響を受けやすく、敏感な生き物であるふぐはストレスを感じ病気になりやすいのです。そのために抗生物質など薬物を使用することになるのですが、これが自然環境に与えるダメージも見逃すことはできません。
砂虎は陸上養殖を採用しています。陸上に直径10メートル、水深2メートルの巨大なプールを作り、隔離した状態で養殖をおこなっています。陸上養殖のメリットは、水質の管理を徹底してできること、自然界に負荷をかけないことなどあげられます。
砂虎はこのプールの底に30センチほどの砂を敷き詰め、徹底した水質管理の下、自然界さながらの環境の中で育てられます。ふぐは疲れたりストレス感じると砂に潜って休息します。その様が愛くるしく、“すなかぶりとらふぐ”という意味で砂虎と名づけました。品質においても天然ものと比べ遜色なく、「陸の天然」というありがたいニックネームも頂戴しています。 (養殖技術に関する詳細は、こちらをご覧下さい)
日本人は天然ものを礼賛し、養殖ものを劣ったものと考えがちです。しかし考えてみてください。自然環境は悪化する一方です。天然マグロのトロに含まれる水銀の問題もご存知のことでしょう。改めて天然だから安全ですか、と問うてみてください。
また、天然資源に頼っているだけでは日本の食文化を守っていけません。近畿大学はまぐろの完全養殖に世界で初めて成功しました。私たち萬坊は、養殖技術を向上させ、日本の食の未来を拓いていきたいと考えています。